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松山市農協 高原大根

TEL:089-968-1211

1日千本を標高600mの高原の町から送り出す、大根職人。

「どうしたら美味しい大根になるか、を常に考えています。」

「愛媛県にもスキー場がある」という事実を、一体どのくらいの人が信じるでしょうか。
温暖なイメージがある愛媛県内にも標高の高い地域がいくつかあり、久万高原町もそのひとつ。松山市内から1時間かからないという場所ながら、冬場はスキーを楽しむ人々で賑わいます。
この標高600mの地で、50年もの間「大根」を作り続けているのが渡部さんです。
「昔は100人ほどいた大根農家が、今は数人です。」
味が良いことで知られたこの地の大根にも、価格下落の波は寄せ、さらには高齢化も深刻な問題です。重量のある野菜ゆえ作業の大変さは想像に難くないのですが、伺ってビックリ。なんと、渡部さんおひとりで1日千本の大根を収穫し、それを年間通じて出荷していると言うではありませんか。松山市農協の部会全体の栽培面積のうち、3割近くを担っている渡部さん。重量にして1トンの大根を、毎朝3時から5時の間に一人で収穫してしまうのだとか。
「どうやったら甘くなるか、美味しくなるか、それを毎日考えて作っています。」このモチベーションの高さは、一体どこからくるのでしょうか。

他所には絶対に真似できない、この土だからこその味わい。

答えはおそらく、「この地が大根作りの適地だから」ということ。育て上げた大根の味、品質に絶対の自信を持てるからこそなのでしょう。
県内でも大根の産地はここだけではありませんが、600mという標高はやはり強み。標高400mでも夜はエアコン要らずと言われることから、この地の夜温がどれほど下がるのかが良くわかります。生育途中に内部まで一度しっかり熱を下げることができるため、蓄熱を嫌う大根の味が格段に上がるというわけです。
さらに、最大の特徴はこの「黒い土」。水はけの良い火山灰土壌が過剰に水分を持たず、しかし必要な湿度を保つことで夏場の根腐りを予防しています。この土、この辺りでは「音地(オンジ)」と呼ばれ、四国一帯に分布すると言われるものですが、久万高原全域がこの土壌というわけではありません。オンジを選んで大根の畑にしてきたというところが、戦略の一つと言えるかもしれません。
水はけが良いのに保水力がある、というまるで魔法のスポンジのようなこの土壌。一説には阿蘇山の噴火で降り注いだと言われているそうです。

前代未聞!タヌキが食べるという甘く美味しい大根の秘密。

渡部さんは年間通して大根の収穫ができるよう、平行して作付けも行います。品種の違いはもちろん、気温や雨量など気象条件の変動に的確に対応できるように施肥量や播種の間隔など微妙なコントロールを欠かしません。
特に「味」にこだわる渡部さんが心を砕くのが「施肥量」。見栄えよく大きな大根にするために、肥料を多く与えるのは容易ですが、どうしても品のない辛味が残るといいます。しかし肥料なしでは短くなり商品にならないため、成分配合を細かく変えたり、収穫前の最終段階で肥料がぴたっと切れるようギリギリのラインを考えているのだそう。これは数日から数週間後の天候、気温までを予測し、判断しなければならない難しい見極めで、ベテランの渡部さんだからこそです。
葉の色が薄いのは実が良好な証で、肥料を抑えることで火山灰土壌や腐植土による有機性が高まるというメリットも。
グルメと言われる野生のタヌキが、近年渡部さんの畑に現れるようになったそうで、図らずもその美味しさが証明されることとなりました。

 

 

年間通じて栽培される大根の品種は青首の代表格「鉄人」から「夢誉」「白肌美人」「つやっ娘」へと移行しますが、冬の積雪の間のみハウスで栽培されます。連作は難しいと言われる大根ですが、ちょうどスキーの初心者コース程の傾斜地の水はけの良さや、長年の栽培経験、技術によって克服していると言います。
ちょうど梅雨時、かなりの雨が降った日に「オンジ」と言われる黒土を触ってみたのですが、多少しっとりしているのに全くべちょべちょしていないことに驚きました。恵まれた環境と良く言いますが、この土の恵みは何よりの宝かもしれません。
自作の大根キャリーは、葉をまとめて切り揃えるなどさまざまな省力化の工夫がされています。その日のうちに洗って箱詰めまでやる、そしてそれを毎日続ける、という現実にやや圧倒されながらも、この静かな高原で、粛々といつまでも白く美しい大根が作られ続けることを願いました。

銀色マルチは光に反射するため虫除けに効果的。地温を上げるべき時期は透明に変えるなど、細やかな配慮が徹底されています。 ひとつひとつ手作業で洗ってから出荷。自家製の可動キャリーには300本積みが可能。葉切り機能も備えたスグレモノです。 意外ですが葉が小さく色が薄いほど良い大根だと言われ、扁平に広がり、旺盛に立ち上がってないことも良好な証拠。
もっと美味しく!食財メモ

久万高原の夏大根を美味しく食べたい!と思ったら、この冷たいおろしうどんはハズせません。爽やかな甘さと清清しい辛味のバランスが良いだけでなく、おろしにした時に「ふんわり」とした食感が残るように全体の水分量を持つことも重要なポイント。高知県や香川丸亀のうどん店との取引も長く、難しい夏場の大根の品質維持力が大変高く評価されています。
今後は高品質な「大根ドレッシング」などの加工へも意欲を見せています。
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