新着食財情報

ななおれ梅組合 七折小梅

TEL:089-962-3064 WEBサイト:http://www.nanaore-koume.jp/

これこそが本物の梅干!小さな梅が地域の発展と食文化の伝承を担う。

七折小梅の復権!「梅で勝負する」と決めた地域の決断力。

「七折小梅」。この限られた狭い地区の名前を冠した梅が今、大変なブランド力をつけています。
「七折地区が梅で勝負できたのは、みかん産地としてはそこそこだったからですよ」と笑うのは、仕掛け人である「ななおれ梅組合」の矢野組合長。
のんびりとした中山間地である砥部町七折地区は、明治から続く梅の産地でした。しかし終戦後、軍隊で不可欠だった梅干の需要が減り、畑は徐々に麦や芋、温州みかんへと主を変えていきました。県内の他の有名産地には及ばないながら、「そこそこ」の味と品質で作り続けたみかんでしたが、度重なる価格暴落の度に「このままではこの地区の将来はどうなるのか」という危機感を感じたのだとか。
当時の梅の価格は大卒の初任給に匹敵するほど高値だったこともあり、昭和40年以降「梅で行こう!」と決心。県内では栽培技術が確立されていなかったため、徳島県の試験場を頼り、通い詰めて指導を仰ぐ日々が続きました。そんな中でも、「七折には梅が絶対に合っている」という自信があったといいます。古くから良質な梅が育ったふるさとの風土は、この決断を裏切らないと信じたからです。

 

「黄色い小梅」という価値感を活かし、強い産地を育てることに成功。

梅は大小さまざまな品種がありますが、そのほとんどが緑色。未熟な状態で振り落として収穫されることが多い大産地の梅に多く見られます。
ところが七折小梅は緑色のものはほとんどなく、産毛をまとった薄緑色から、熟度を増すにつれ黄みを帯びた透き通った輝きを見せるようになります。この黄色い輝きこそが七折小梅の特長なのですが、残念なことに「過熟品では?」「梅らしくない色」という評価により、県外市場に受け入れられることはありませんでした。
しかし、種が小さく果肉が多いことや糖度の高さ、甘美な香りなど、圧倒的な品質の高さが知られ始めると同時に、高まる一方の「健康ブーム」によっても引き合いが強まり、それまでバラバラだった出荷をまとめ、「ななおれ梅組合」としてのスタートを切ることとなりました。さらに、不安定な相場が続くと市場と交渉し、組合側が販売量や価格設定をリードできるよう働きかけ、組合員と産地を守れる組織作りも進めてきました。
そのメソッドのひとつが「梅の加工」。黄色く柔らかな七折小梅の魅力を最大限に活かす展開でした。

「本物の梅干」を通じて「梅を漬ける」という文化を守らなければ。

所有する加工場では、1シーズン約10トンの梅干の他、梅シロップ、梅肉などを作っています。すべての作業は人の手により行われ、この地に伝わる昔ながらの製法にこだわっています。
今や10%を切る「減塩」が主流の梅干界にあって、七折の梅干の塩分は17%!「昔は20%以上と、もっと辛かったですよ!」と言う加工部長の竹内さんによれば、「梅の味を最も引き出す塩分の最低ラインは15%。これ以下では旨みが出ないんです。うちは紫蘇の塩分も加わるので17%にはなってしまう。」とのこと。減塩して添加物を加えるのではなく、梅の力をギリギリ活かすラインを守るというポリシーです。
紫蘇は地元広田の専用畑で特別に栽培される香りや成分の濃いものを手揉みして使用。塩は長崎五島の選りすぐりと、これ以上はないという素材ばかり。当然価格は跳ね上りますが「こういう本物の梅干を待っていた!」というお客様の声に励まされているとか。
地元でさえも「梅干未経験世代」が増え、子供やその親を対象にした「梅干教室」を行っており、「加工品の拡大と同時に、手作りする大切さを伝えることでも地域を発展させたい。」と意欲を燃やしています。

 

梅雨が明けたら梅の土用干し、お盆には味噌を作り、木枯らしが吹けば沢庵を漬ける。日本の日常だったこれらの仕事はすべて風物詩と化し、実際食べるのは「買ったものばかり」という昨今。「梅干を自分で作らない人が増えたから加工して売ろう」は、誰でも思いつくと思うのですが、梅を漬けるという文化を絶やさず、将来的には生梅が売れ続けるというビジョンを持たれていることに驚きました。みかん栽培から梅栽培への切り替えを決断した際も、10年後20年後、さらにその先の農家の生き方、地域のあり方を真剣に見据えていたこの組合は、これからの集落農業を企業的に考える際のひとつのモデルとなるはずです。
「梅干の作り方を知らないような地元スーパーのバイヤーは相手にしない」と言い切る矢野組合長。七折の梅に関わる人々には、自分と同じように七折と梅を愛して欲しいと願うからこそで、子供向けの食育同様、バイヤーにもちゃんと漬け方講習を行っているのだそうです。たった一粒の小さな梅への思い入れ、相当なものになるはずですね。

ずらっと並んだ大樽にはそれぞれの工程別に梅がぎっしり。そのすべてに目配りできる熟練のスタッフが揃います。 通常は10回程刈り取るところを3回に抑えた広田の紫蘇。味も香りも栄養も格段に濃く、他の紫蘇とは全く別物! 原料は梅と紫蘇と塩。それだけ。正真正銘無添加の表示は当たり前ながら驚き。一度食べるとリピートしたくなる味。
もっと美味しく!食財メモ

数ある加工品の中でも群を抜く商品力を持つのが、この「七折梅シロップ」。じっくり完熟した小梅と同量の砂糖で作るというシンプルな製法だけに、素材の良し悪しが味や機能性の決め手となりますが、他産地のものとは比べ物にならない洗練された仕上がりです。透き通った輝きをまとった七折小梅は果皮が薄いので甘い蜜のような香りをストレートに感じやすく、本来の糖度も8度と高め。「梅はフルーツである」ということを改めて実感させてくれる、珠玉の一品といえます。
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