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仲神農園 筑陽なす

「食べて笑顔に」なる野菜!茄子を武器に戦う若きファイター。

「茄子を自分の武器にしたいから、とことんやってみたいんです。」

松山市の隣にある伊予市には、今も農地があちこちに残ります。古くから米麦はもちろん、色々な野菜が栽培されている「野菜地帯」と言ってもよいでしょう。
この地で祖父母、両親の後に続いて、精力的に野菜作りを進める後継者の一人が仲神さん。「小さい頃から家は農家。じいちゃんばあちゃんの姿を見て育って、農業にずっと興味があったんです。」高校の頃に「農業で食べていく」と決め、農業大学校へ。そこで出会った仲間達と結成したグループ「農業戦隊タガヤスンジャー」の一員でもあります。県下に散らばって暮らす仲間との交流の中で、今も様々な刺激を受け合っているのだとか。
メンバーの中で唯一、野菜を専門に作っている仲神さんは、レタスや夏秋きゅうりなどの他、20aのハウスで3種の茄子を栽培しています。もともと茄子の産地として知られた地域とはいえ、ハウス栽培は難しい技術を要します。
「いろんな品種の茄子を、いろんな栽培方法でやってみたいんです。茄子のことなら自分!と言ってもらえるよう、茄子を武器にしたいですから。」

 

「ナスも人間も同じ。好き放題させていると言うこと聞かなくなります(笑)!」

米なす、長なすと併せて主に手がける品種は「筑陽」。最も馴染みのある茄子ですが、通常は露地で栽培するもの。難しいと言われるハウス栽培で3月~12月ごろまでの長い期間の出荷を実現しています。
これだけ収期を長くするために欠かせないのが「切り返し」と言われる作業で、7月下旬、ちょうど一作目の盛りに、一度樹を短く切り込んでいます。葉っぱも旺盛で、実もたわわ。あえてこの時期に小さな芽だけを残して、なにもかもつるつるに刈り込んでしまう様子は、まるで健康な体への大手術!本当に元通りになるのか心配になるほどですが、更に良質な芽吹きを誘発するための大切な作業だとか。
もちろん、切り方を間違えると芽は出ず「大失敗」という結果になることも少なくありません。周りの先輩達の話を聞いた上で「こうしたらダメだった」「ここまでならやってみる価値はある」など、自分なりの「勘」を育てている最中なのだと言います。「人間と同じで、ある程度手を入れてしっかりリードしてやらないと、言うこと聞かなくなりますからね。」と、今回の切り返しには自信を見せています。

 

漬物作りからはじめる、新しいナスの可能性探し!

歴史ある茄子産地ゆえ、先人たちが蓄積してきた伝統的な技術に触れることが出来る仲神さんは、「当たり前のことが完璧にできるようになりたい」と言います。その上で自分なりの新しい技術にチャレンジしたいと考えているのだとか。
そのひとつが天敵生物の利用。成長回転の速い茄子は一度虫がつくと農薬に頼らざるを得ないとされていましたが、それでもとにかく農薬を減らしたいという思いから、ダニを食べるダニの利用を始めました。施設ならではのメリットですが、大きな効果が出ています。また、畑それぞれの性質を見極め、それぞれにあった土作りを堆肥などで進めています。
さらにもうひとつの挑戦が「漬物作り」。一般的に農家の女性達の仕事とされているこうした加工ですが、仲神さん自らがチャレンジ。作り方のベースはお母さんに教わり、自分が納得できる「菌が生きていて匂いが良い麹」を探して、漬け床から自作した麹漬けは「懐かしい味」と好評なのだとか。目指すのは「漬物」ではなく、若い人にも気軽に食べてもらえる新しいカテゴリーの茄子加工。茄子を武器にするという言葉は、彼自身を奮い立たせる剣のようなものかもしれません。

 

夏野菜である茄子をあえてハウスで作るには、意外にも多くの技術や設備を要します。病害への細かな配慮や池の水を引かれた灌水チューブが詰まらないよう濾過機を整備するなど、日々の作業に追われ休まる時間が無いといいます。それでも「教科書通りに葉っぱがつくわけじゃない」と、経験を積み重ねることでしか学びはないと語る仲神さん。仕事が面白くてたまらないと言う笑顔が印象的でした。
「子供がなりたい職業ランキングで、農業が一位になるのが夢」と公言する仲神さんですが、確かにこんなに楽しそうな生産者さんを見たら、子供たちも憧れを持つかもしれません。農業を楽しみ、美味しいものを届けたいという理念を実現するために、今何をやるべきか、どうふるまうべきか。自分自身の「立ち位置」をよく理解している数少ない生産者さんの一人です。
タガヤスンジャーでのテーマカラーは「オレンジ」。みかん色ですが柑橘は未経験だそうで、「でも、いつか果物も作ってみたい!」と夢は果てしなく広がっています。

手作りの看板には、結婚したばかりの奥様の名前も。「農宴」でどんな楽しいことが繰り広げられるのか楽しみ! 実際の短く「切り返し」された枝。これで本当に芽が出るのか不安になるほど。ギリギリのラインを見極めます。 一瓶に25000匹のスワルスキーカブリダニ。生きて園内で働き、害虫と戦う、仲神さんの頼れる右腕?
もっと美味しく!食財メモ

全国的にナスは地域性が強く、食べ慣れたナス以外は消費しない傾向があります。その中にあって地元直売所で好調な売れ行きをみせているのがこの「米ナス」。仲神さんが作る米ナスは、サイズも大きく、味・品質とも良いと人気があるとのことで、少しずつ力をいれています。
輪切りにしてステーキにするだけで、独特の食感やボリュームを楽しむことができ、ナス嫌いの人にも新鮮なイメージがあってアプローチしやすいのだとか。比較的長く出荷できることも強みです。
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