新着食財情報

株式会社OCファーム暖々の里 玉ねぎ

TEL:089-993-4140

「玉ねぎ王子」というブランドを背負い、自分自身と戦う新しいリーダー。

「後継者」として、自分は何をやるべきか。

松山市の旧北条地区は、温暖な気候で山々も平地もなだらかに広がる農業地帯。高縄半島を望む美しい海岸線も魅力のひとつで、冬でも暖かいことと河川近くの水はけのよい土壌に恵まれ、古くから良質な野菜産地でした。
この地で7年前から玉ねぎ、キャベツなどを作っているのが長野さん。現在は650aもの大規模な玉ねぎ畑を切り盛りしています。「自分の両親が“しんどい”ながらもやりがいを感じて“楽しそうに”農業している姿を見て、自分もこの道に進もう」と決めてから、高校、短大と農業を学び、その後は海外での研修も経て就農したという、まさにエリート後継者です。
玉ねぎはおじいさんの代から続く長野家の、そして地域の代表作物。主にご両親が取り組む柑橘栽培ではなく、玉ねぎを中心とした野菜の生産・販売に力を入れるのは「親が代々作ってきた、うちの玉ねぎの信頼を落としたくない、きちんと引き継ぎたい」という思いがあったからとか。「後継」という言葉の意味を、自分のものにして就農した長野さんですが、ご両親の「長野農園」のお手伝いをしているわけではありません。
実は、ご両親の経営とは別に立ち上げた「OCファーム暖々の里」の代表取締役なのです。

さらに「新しいリーダー」としてやるべきことは何か?

起業したのは26歳の時。それまでの農協出荷だけではなく、直売所での販売が増え、加工品販売などにも力を入れようと会社化を模索していた折、ご両親とは別に「自分が代表として会社を興す」という決断をします。
「仕事に責任を持つということが、言葉だけじゃなく現実になった」というこの決断が、やりがいを持って農業に取り組む原点だったと同時に、後継者特有の「甘え」を捨てるきっかけでもありました。
弟の洋平さんを役員に迎え二人三脚で動かす会社ですが、広大な農地での大規模農業のため、多くの雇用も生んでいます。地元大学の陸上部から「筋トレを兼ねた」アルバイトを10年以上前から受け入れるなど、地域に密着し愛される農業を進めています。所有する土地だけでなく、地元農家の休耕田畑を借りての植え付けも、「大分信用して提供してもらえるようになった」と語ります。
田植えまでに土地を返却する必要があるため、栽培の中心品種は早生寄りの「甘70」。辛味が少なく甘味を感じやすい生食向きの玉ねぎですが、貯蔵性から見ると「もみじ」等には劣ります。ロスが出やすく直売所向けではないと言いますが、「何よりも味が良いと喜ばれるから」という思いで彼自身がこだわる、思い入れのある品種です。

やりがいを形にして見せることで、農業に興味を持ってもらいたい。

「玉ねぎ王子」という愛称は地元のラジオ番組に投稿する際に自分でつけた名前で、「玉ねぎ王子の作った玉ねぎ」と言われるまでに「ブランド名」としても成長しました。ラジオやブログを通じて農作業の様子を発信し、農業の楽しさ、自分たちのやりがいを伝えるツールでもあります。
「若き農業経営者」としてマスコミに取り上げられることも多く、直売所でお客様に直接声をかけられることも増えたそう。嬉しい半面、「注目されることでモチベーションを保っているかも。恥ずかしいものは作れないし、もっと美味しいと喜んでもらえるものを作らないと、という気持ちが常にある。」と、心地よいプレッシャーとして感じる部分もあるようです。
アメリカ研修で学んだ大規模営農を元に、県内では珍しいブームスプレーヤ(乗用の防除機)や大型トラクターを駆使したり、個人で所有することは少ない大型の低温貯蔵施設により、大量の商品を長期間動かすことを可能にしています。県内外のバイヤーとの交渉力を持ち、多くのスタッフを守る経営者となった「王子」は、この先どんな成長を見せるのでしょうか。

 

「○○さん家の野菜」とか「顔の見える農産物」とかいうものが売り場に溢れて久しいのですが、自分で自分をブランド化し、意図的に露出を増やすことで商品の販売につなげるという「本当の顔見せ」により、長野さんは急成長しました。積極的に異業種の経営者達と交わることでも、彼なりの経営感覚を育ててきました。
初めて彼に会ったのは5年ほど前、ある食品加工会社の会議室で、お母さんと一緒に「玉ねぎドレッシング」の商品化について話し合う場でした。お母さんの名前がつけられたドレッシングを前にして、長野さんに向けたお母さんの視線からは「可愛い息子」という思いとは別に「頼りになるビジネスパートーナー」という思いが感じられたことを思い出しました。
優れた後継者を育てるのは一体誰なのか。高齢化が進む産地にとってこの問いは重く、長野さん兄弟の活躍がその答えを導くヒントになることは間違いないでしょう。

女性スタッフにも任せられるよう機械化した収穫作業。天候を見極めながら短期間で集中して行う時期は戦争のような忙しさ。 専用貯蔵庫のほか、乾燥用の大型保管庫も次々と増設。様々な人の手を借りて、自分たちで手作りする楽しさもあるとか。 10kgの袋詰めの作業もかなりの重労働。フォークリフトが行き交い、数名の手馴れたスタッフが次々と進めます。
もっと美味しく!食財メモ

主に弟の洋平さん(別名:アスパラボーイ)が20aのハウスで手がける「アスパラ」。瑞々しい夏アスパラは清涼感のある香りと歯ごたえが持ち味。あれこれ細工しないで、バターでさっと炒めただけでその美味しさを100%味わえます。
手摘み収穫の手間は相当なものですが、ハウス栽培のため安定した出荷が確保でき、地元の産直売り場などでも好評を得ています。
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