新着食財情報

西条市農協 絹かわなす

極うすの絹かわに西条の名水が詰まっとる。これが自慢の絹かわなす!

限られた狭い地域で作り継がれた在来品種。理由は「美味しいから」。

日本全国に点在する「伝統野菜」。中には「京野菜」や「加賀野菜」など、ブランド化され守られているものもありますが、多くは限られた地域で細々と受け継がれているもの。
古くから農業が盛んな西条市にも、地元民が愛してやまない「伝統野菜」があります。丸々と太った風貌から「ぼてなす」と呼ばれ親しまれたこの茄子は、今や「絹かわなす」というロマン溢れる名前で世に出るようになりました。愛媛県でも西条市でしか栽培されておらず、古くから農家それぞれが種採りをすることで受け継がれてきた在来品種です。
県都松山市では長さ40cmにもなる在来の長なすが栽培されていますが、西条市で消費されることはありません。西条に暮らす人々は「絹かわなす」以外の茄子は食べないのです。
理由はいたってシンプル。「美味しいから」。この茄子の色、形、味わいの全てを愛し、誇りに思っているからこそ、絶えることなく作り継がれてきたのです。その歴史の中に身を置き、日々「絹かわなす」を作り続けるのが細川さんです。

畑で丸かじりの贅沢。甘く清々しい香りは「水」の美味しさから。

絹かわなす作りのベテランである細川さんに、この茄子の歴史を尋ねると、「ようわからんのよ。物心ついた頃から、親父もみんなもこの茄子を作りよったけんな。」とのこと。現在のように販売を念頭に作られるようになったのは戦後からですが、味の良さが支持され続けているのは確か。
その名の通り、絹のような滑らかで薄い皮に包まれた茄子は、手のひらに余るほどの大きさで、見た目以上のずっしりとした重量感を感じます。爪を立てるとあっさりと割れ、みずみずしい果実がはじけ出てきます。果実の成長が早いため、種がほとんどないことも食感の滑らかさに繋がっています。驚くことに、そのまま生でかじってもえぐみを全く感じません。フルーツのような甘い香りが漂い、目を閉じていれば、この柔らかな果肉の歯ごたえが「茄子」だとは到底分からないはず。
泉州の水なすよりも、さらに洗練された清々しい味わいを感じさせる理由は「水」の違い。ここ西条は西日本最高峰の石鎚山から湧き出る「うちぬき水」に満たされた「水の都」として有名。名水百選に数えられる美味しい水だけで出来ているこの茄子が、美味しくないわけがないのです。

「絹かわ」の名の通り、繊細で柔らかな茄子ゆえの苦労。

しかし、皮が極端に薄いことは、この茄子の最大の特長であると同時に、生産者泣かせのポイントでもあります。人の手で触れることはもちろん、風で揺れた葉がそっと表皮を撫でるだけで、すり傷が残ってしまうのです。樹高が出る8月以降は被害も大きくなります。
「もう、一日中傍についとって、葉っぱをみんな取ってやりたいくらいよ。」
可愛い我が子が傷つかぬよう、じっと見守っていたい気持ちがひしひしと伝わる言葉ですが、この整然とした畑には見渡す限りの茄子がずらり。部会全体で3ha以上、細川さんお一人でも60aの畑を管理しているのですから到底無理な話です。
有機質が多ければ多いほど味と色に差がつくことから堆肥を使った土を高畝にして使用。週2回以上、まるでプールのように一気に大量の水を入れるのがポイントなのだとか。
鳥たちが甘い花の蕾を食べに来るため、丁寧に天蚕糸が張り巡らされた畑では、朝の5時から収穫作業が行われます。当初は苦戦しましたが、味が評価されたことと農協のプレス効果もあって現在は約半量が県外へと出荷されている「絹かわなす」。地元での熱い支持のおかげで、茄子達も自信をもって旅立っていることでしょう。

 

私たちの身近に流通している野菜のほとんどが、作りやすく収量が安定するよう品種改良され、規格化されたもの。日本全国どこで作っても、ほぼ同じ品質の商品ができることがメリットですが、反面、農家それぞれが種を採って作り継いできた「その地域にしかない野菜」にお目にかかる機会は無くなってしまいました。
伝統野菜が受け継がれる最大のポイントは「地元で愛されているかどうか」。絹かわなすが全国的な人気を得ることになった背景のひとつに、西条に暮らす人々の「愛」があったことは間違いありません。
家庭で漬物を作らなくなったことで茄子の消費量は大きく動いたと言われますが、地元メーカーが「浅漬け」に利用したことでこの茄子は新しいステージを得ました。近年は生食にも堪える食感がブレイクの要因になりました。伝統野菜から次々と生まれる新しい可能性に目を見張るばかりです。

畑の横にあるポンプからは美しい名水が溢れて。そのまま飲んでも美味しい水を惜しみなく与えられる、幸せ者の茄子です。 時期によっては20日間で成熟する茄子。早朝にはこうした「白い伸びしろ」が見られ、潅水の目安になるのだとか。 驚くべき高畝。一気に入れるという水の量は細川さんの長靴の高さをあっさり超えるほどだとか!茄子の重量感に納得です。
もっと美味しく!食財メモ

輪切りにしてステーキにすればまろやかな食感が病みつきになると言われる絹かわなすですが、西条の人々から異口同音に聞かれるのは「浅漬けが一番」という言葉。柔らかな食感と甘くさっぱりした後口。絹かわなすの真骨頂を味わえる食べ方です。
各家庭で手作りされるのはもちろん、各メーカーによって様々な美味しさが味わえます。
ページトップへ戻る
Copyright (c) 2010 Ehime prefecture. All rights reserved.