新着食財情報

赤尾吉治 山すいか

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山で育てて山で売り切る。幻級のシャリシャリすいか名人!

国道沿いにずらりと並んだスイカ屋さん。50年続くライバル達との戦い。

「すいかを山で育てる」と言ってもピンと来ない方がほとんどでしょう。一般的にすいかは平坦な砂丘地が適地とされ、傾斜のある山間地での栽培は、まず例がないからです。
しかし、伊予市中山ではこの「山すいか」は「美味しいすいか」の代名詞。国道56号線沿いには露天を含む約10軒の「スイカ屋さん」が建ち並び、駐車列がずらりと延びる様子は50年も続く当たり前の光景です。
その美味しさは一種のブランドとして県下全域に知れ渡っており、毎年馴染みの店に数時間かけて買いに来るという固定客も多いそう。昨年、すぐそばを通る高速道路が無料化実験の対象となり、車の往来がほとんど無くなったといわれるこの国道に、シーズン中は例年と変わらず「山すいかを求めて」購入客が訪れたという驚きの逸話も。
この人気の秘密はなんといっても「シャリシャリ感」!すいかに求められる要素として重要な、あの鮮烈で透き通った歯ざわりが、このまるで研いだようなエッジの美しさから想像できるというもの。これが山すいかの持ち味なのです。

 

山のすいかはこうして作る!美味しさとシャリ感には理由があります。

糖度が高くシャリ感があって食味のよい「甘泉」や、肉質の締りが良い「まつりばやし777」などを中心にすいか作りを究めているのが赤尾さん。建設会社にお勤めの後、お母さんの跡を引き継ぎこの地で農業を始めました。
国道沿いでの直販が始まる前は、市場へ出荷をしていたそうですが、他産地と比べるとやや見劣りする山すいか。「味では評価されず、見た目で振り分けられるのがイヤでね、みんなが地元で売り始めたのがきっかけですよ。」
以来50年もの間、味自慢の生産者同士が競い合うように美味しいすいか作りにまい進してきたのでしょう。
赤尾さんが目指す糖度は13度以上。「ただ甘いんじゃなくて、食べた後も甘ったるい後口が残る」というすいかは、確かに、いつまでも「すいかの余韻」を楽しめる逸品。水はけがよく、そして水持ちがよいというこの地ならではの「ガラ」と呼ばれる赤土は、一度固まると表面をつるつると水が流れて浸み込まないという特徴が。山の傾斜も味を引き上げています。
さらに、夜温が急激に下がることで呼吸によるエネルギー消費がほとんどなく、昼間蓄えて残った栄養素が全て糖分に回るという「自然の温度差効果」が、独特のシャリ感・甘さを生むのだとか。

その一口のために、一年かけての土作り。年々ハードルが上がる喜びも。

しかし、立地条件と環境の良さだけがこの美味しさを作るわけではありません。赤尾さんがほぼ一年間を費やすという「土作り」こそが、多くのお得意様の心をつかんで離さない秘訣。全てのすいかを収穫した後はすぐにバーク堆肥を投入。ユンボで1mもの深さに掘り、7種類の元肥を入れるというから驚きです。冬の間は土を寒さに当てて休ませながら耕すという「土育て」を行い、3月の定植後は畑全面に大量の藁を敷きこみます。地温上昇と病害の防止が目的ですが、なんと約80アール分の稲藁を買い集めるのだとか。「この時期にしっかり地温を上げることが、後々いろんな面でメリットになるんです。」
全ての作業が「美味しさ」のために行われており、それらは年々少しづつ改良されています。「一度美味しいものを食べると、翌年は“去年の方が美味しかった”ってなるでしょう?毎年お客さんのハードルが上がってきて、自分で自分の首を絞めるようなもんだけど。」と笑う赤尾さんですが、軒を並べる他の生産者達との切磋琢磨も、産地全体のレベルアップになっているのだとか。この先も夏の甘~い風物詩は続いてゆきます。

 

この地の山すいかのレベルが高いのは、お客様の反応があまりにも素直だから。一度美味しくないすいかを売ってしまうと、次はありません。また、似たような環境で作る生産者が並ぶ激戦区ゆえ、日々の小さな技術の更新が大きな結果を生んできたことも理由のひとつです。赤尾さんは天候により思い通りに成育が進まないことが最も辛いと言いますが、お客様は天候を言い訳にはしてくれないもの。「あそこのすいかは美味しい」という刷り込みの恐ろしさでもあり、また作り手にとっては醍醐味でもあるでしょう。
窒素を含まない堆肥を使うことで味の均一化をはかり、一切水を与えないことで極限の味わいを引き出しているという赤尾さん。「自分の技術は他人には見せたくない」といいますが、まだまだ隠し技は沢山あるそうです(笑)。「今年もやっぱり美味しいね!」という一言をどう引き出すかで、頭の中が一杯なんだそうです。

街道に続くすいか屋さん。夏の風物詩が実はそれぞれの農家のブラッシュアップの場でした。 「ガラ」と呼ばれる独特の硬い赤土。少々の雨だと全く吸い込まず、表面を流れますが、水保ちは良い。 ネギの根とすいかの根が相反することで連作障害を防ぐという北海道の産地からの情報を実践中。
もっと美味しく!食財メモ

山すいかの一番果はご覧のように外皮がとっても厚い。着果温度により皮の厚さが決まるため、5月上旬とまだ肌寒い山地では果肉を守ろうとして厚くなります。その分、味わいが濃くなるというわけ。実はこの白い部分も甘いことに驚き!どこまでもすいかの味でした。
すいかの皮を使った浅漬けを好む方も多いですが、この山すいかで作ると絶品!しゃきしゃき感がたまりません!
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