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ヤマサ園芸 蓬莱柿(いちじく)

TEL:0898-68-5508

伝統を守りながら地域に新しい風を取り込む術を模索する「弟思いの長男」

農家の長男に芽生えた、農業への思いとは。

昔から果樹栽培が盛んな西条市丹原地区で、大農園の長男として生まれた佐伯さん。農業とは無関係の不動産業界で活躍していましたが、28才の時に経験した沖縄での暮らしの中で、初めて農業への思いが芽生えたといいます。
「日本中どこへ行ってもすでに多くの産業は成熟しているけど、農業は最も古い産業でありながら、まだまだ可能性が沢山あると気づきました。」
2年後、故郷丹原へ戻って就農した佐伯さんには自分を育んだ農園を引き継ぐことだけではなく、豊かな自然に溢れた故郷を守りたいという決意がありました。県都松山からも、隣市新居浜からも一時間という立地は、集客に有利。長く観光農園として愛されたヤマサ園芸に新しい品目や趣向を加えていくことで「産地全体の活性化」につなげること。これを念頭に、すでに就農していた弟さんや、大先輩であるお父さんに教えを請いながら、主要品目である柿をはじめ、多品種のぶどうや柑橘類の栽培をしています。
中でも、特にこの地域で根強い人気を誇るのが「蓬莱柿(ほうらいし)」。全国でも珍しい在来種のいちじくです。

 

昔ながらの品種「蓬莱柿(ほうらいし)」を、もぎたてで楽しめる農園。

日本全国で栽培されるいちじくのほとんどが「桝井ドーフィン」という外来種。病気に強く日持ちが良いことで流通シェアも8割以上。しかし、ここ愛媛県で作られるいちじくの8割以上が「蓬莱柿(ほうらいし)」という日本古来の在来種。ヤマサ園芸でも40アール8トンの収量を誇る人気の果物です。
蓬莱柿は上品な香りと甘さが秀でているのですが、あまりにも日持ちがしないため、ほとんど県外へ流通することはありません。次々と実をつけるため、シーズン中は朝夕の収穫が必須となり、観光農園としてもぎ取りや産直販売などで限られた美味しい瞬間を提供しています。
一般的なドーフィン種のように管理しやすい一文字仕立てなどはせず、自然のまま3メートルを越す樹も。全ての作業がやりづらくなるそうですが、仕立てると樹勢が弱まり、切りすぎると人知れず枯れてしまうのだとか。もともと10~20年と樹命が短いいちじく。経済年数も短く、本当に美味しい瞬間はごくわずか。また1本に病気が出るとその畑には菌が残り、他の樹も全滅するほどデリケートたなめ、園地を分散したり、毎年植え足すなどしてリスクを減らす努力も続けているのだそう。

 

美味しい!キレイ!面白い!楽しさ3倍の農園から生まれるものとは。

いちじくの施肥や農薬については実は確固たる目安が確率されていません。特に蓬莱柿は歴史が古いため、その地の風土に応じて成長し、産地化した経緯があります。
この地は水はけの良い扇状地で、果物栽培に適した真砂土に恵まれた土地。ヤマサ園芸ではさらに土壌の不足分を補うカルシウム肥料の他、土を肥沃にして健康な根を育てるための乳酸菌発酵や、酵素を使った根の導管強化を積極的に行っており、化学肥料を最小限に抑えた果実作りを目指しています。
バラ栽培の次男勇輔さん、ぶどう栽培の三男彰則さんと共に切り盛りする広大で賑やかな観光農園には、辺り一円を見渡せる展望デッキがあります。そこから見える地元の果樹農家が集まってそれぞれの自信作、特徴をコラボさせることで生まれた「丹原もぎたて倶楽部」では、年30回ほどの集客イベントを開催し、地域を盛り上げる活動をしています。「1軒だけでは無理でも、何軒かの農家が集まることで継続して何かを発信できる体勢作りを進めてきました。」という佐伯さん。愛すべき故郷の魅力を、家族や仲間とともに伝えるべく走り続けています。

 

愛媛の蓬莱柿は、愛媛でしか食べられないといっても過言ではありません。味は格別なのに日持ちが悪いので「外へ出す」という概念が生まれず、長い歴史の中で地産地消され続けてきたフルーツです。非常に繊細で、枝や葉の切りすぎや微妙な時期のズレが樹を傷めることになり、一度病んだ樹はすぐに枯れてしまいます。収穫前の果実が雨に当たれば商品価値が無くなり、「なぜこんな面倒な果物を作り続けるの?」と伺ったら「お得意さんが毎年楽しみに農園に来てくれるから」だそう。常に「お客様目線」が感じられる農園です。
ヤマサ園芸の要はなんと言ってもお父さんで、三人の息子さんにとってはまさに生き字引的存在。長年の経験から得た「親父だけのタイミング」についていけないこともあるとか(笑)。若手の後継者達との繋がりの中でも多くの情報を得ることができ、それら全ての「合わせ技」で自分なりのスタイルを確立していると話してくれました。丸1日楽しめる観光農園です。

雨の影響を受けないことが安定したいちじく栽培の肝。試験的にバックによるハウス栽培で可能性を調査中。 朝晩の収穫でも追いつかない時期は、いちじく狩りのお客様もピークに。新品種も増え、ますます人気に。 観光農園としていかにお客様を喜ばせるかを考えている佐伯さん。マンゴーやパインも人気の品です。

 

もっと美味しく!食財メモ

食材ではないためご紹介できませんでしたが、ヤマサ園芸代表でもある「次男」勇輔さんが手がけているのがバラです。農業大学校を卒業後、お父さんの後継として入社した勇輔さんは兄弟の仲で最もキャリアが長く知識も豊富。毎日2000~3000本の多種多様なバラを、365日休まず出荷しています。温度管理などの施設維持に大変なコストがかかる花き栽培ですが、多くのスタッフと共に良質なバラを送り出しています。
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