新着食財情報

無茶々園 ポンカン

TEL:0895-65-1638

「農薬や化学肥料に頼らない農業」というシンプルな理想はやがて地域を変える活動体へ。

3人の若者の「純粋で」「無茶な」挑戦が、無茶々園のスタート。

1974年。農薬や化学肥料をふんだんに使って作る農作物に対して、まだほとんどの消費者が危機感を持っていなかった当時、3人の若者が「ある決意」を持って集まりました。高度成長期に積み重ねてきた農薬散布による生産者自身の体の不調や将来への不安。これらを取り除きたいという純粋な思いで、農薬不使用の伊予柑作りがスタートしました。
周囲からは「あまりにも無謀で、無茶な農業」と揶揄されたことで名づけた「無茶々園」という屋号。一年目の収穫品はあまりの見栄えの悪さに市場ではゴミ同然の扱い。2年目以降わずかに自然食料品店での扱いができるまでは、ほとんど廃棄が続いたと言います。南予の中でも僻地に近い明浜、海とみかんの小さな町のたった3人の「無茶な」挑戦が、時代とともに多くの人の心を捉え、その理念はいまや、遥かベトナムの地で農業を志す若者達に受け継がれているほどの、広い活動体となりました。
明浜町内で80軒、町外を含めると130軒の農家が集まり、温州みかんをはじめとする多くの柑橘類や野菜、米のほか、加工品などを可能な限り農薬と化成肥料を使用しないで生産しています。
特に暖かい気候を好むポンカンは明浜の特産柑橘。宇和海を南側に臨みながら、明るい日差しと潮風を浴びて甘さいっぱいに成長します。

地域全体が南向き。石垣の段々畑で作るここだけのおいしさと感動がある。

30名を超えるスタッフの半数が県外出身者という無茶々園。専務を務める細島さんも、千葉から奥様のふるさとである明浜にやってきて10年目です。
「田舎暮らしへの憧れもありましたが、一番の理由は地域づくりへの夢が持てたことかな。」
有機農業とは、自分の畑だけが良くなればよいというわけではなく、周囲を巻き込んで結果的に地域を守ることになる、さらには未来の環境を守ることになるという思いに基づいたもの。「明浜に若者が増え、子供が増えることで、自分達の農業が地域活性に繋がっているという実感はありますよ。」
現在、取扱量の多くは関東への出荷で、知名度は地元よりも圧倒的に高く、約半分は生協を通じて消費者の手に渡ります。「うちの柑橘は店頭にただ並べてても売れませんから。見た目が悪い理由をしっかりと理解して下さってるお客様のおかげです。」
さらには1万人を超える登録会員に対して定期的に収穫体験などの産地交流会を開催し、実際に明浜の自然の中で過ごしてもらうことで、情報だけでは補えない「生産地や生産者との信頼関係」を深めているのだとか。「耕して天に至る」と言われる壮大な石垣の急斜面での作業や、真珠のごとき輝きの海の美しさは、ここだけの感動の思い出となるのでしょう。

作り手と食べ手の間にある確かな理解。地域を思う人々の確かな絆。

近年の異常気象により、有機を含む無農薬栽培の限界は大きく近づいていると言います。「中でもカメムシの被害は深刻で、たった一晩で数千トンのみかんが全滅するんです。信じられないけど現実なんです。」
主に営業を担当する細島さんは「カメムシは見た目だけじゃなく味も悪くする」と嘆きます。「農薬を使っていないのだから汚くてマズイみかんを我慢して食べて下さい、なんて言えませんよね。本末転倒でしょ?」
会員の集まる理事会では、慣行のごく一部、たった一度の農薬を散布するかどうかの議論を延々と続けるのだと言います。「ほんのわずか一回のことなのに、みんな真剣に悩んで議論をします。この思いの強さと深さが、無茶々園の強みだと僕は思うんですよ。」と笑う細島さん。こうした生産者の真摯な思いを伝えることで、消費者は言葉だけではない、本当の安心感を手に入れるのかもしません。
子供に農業を継がせたくないという農家が多い昨今、明浜には自身の農業に誇りを持つ農家が多く、さらには「父親がやってきたことは間違っていなかった」と言って帰ってくる若者が増えているのだとか。自分と、自分の未来を守りたいという「無茶な」理想で35年間耕し続けた地域愛が、そこに暮らす人々の「プライド」という絆となって証明されたと言えるでしょう。

 

無茶々園では全ての農場が有機認証を受けているわけではありません。「安心安全なものを作っているわけではなく、健全でまともな農業をやっている結果で評価される」という細島さんの言葉の通り、過剰な農薬をかぶるのは嫌だ、子供達に悪影響を残したくない、故郷の自然を守りたいという、あくまでも「自分のため」の農業の理想が無茶々園の根底にはあります。今後、本当に生き残れる持続可能な農業は何か?を問うた時、書類上の数字で証明される安心安全の意味について考えさせられます。
消費者が「どう安心するか」という基準をしっかりと掴んでいる無茶々園。直接関わりがないと思える場所とも、どこかで繋がっていると感じさせる様々な試みが数多くあります。人情深く静かな自然に恵まれた明浜から、日本へ世界へと熱い思いが伝わっていく手ごたえを感じます。

どの柑橘にも多少の傷やスレが。実際に手にとって買うスタイルよりも、背景を理解してもらえる販売方法を確立してきました。 有機肥料は農家により様々。化成を使わないというルールだけで、農地や技術に応じたバラエティを持たせているとか。 約1600トンの出荷。1戸あたりの生産力が下がっていることが問題で、耕作放棄地の新たな開墾も急がれます。
もっと美味しく!食財メモ

若手の生産委員会が県外産地へ出向き、肥料などについての勉強会を積極的に行っているという無茶々園。園地の条件が様々なので、農家自身が自分にあった有機肥料をみつけて活用しています。ポンカンを搾ったジュースはあまり多くはありませんが、やはり有機肥料で育てたものとそうでないものの搾汁を比べると味に差が出るのは事実。わずか糖度1度ですがその違いは驚きです!
これは美味!
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