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田村農園 じゃがいも

TEL:090-2787-4989

脱サラ農家の本気の農業。じゃがいもの地産地消で目指す地域再生への道。

「中途半端な農業は面白くない。やるならとことん、と決めていました。」

750年の歴史を誇る厄除け鬼瓦の製造で知られる菊間町。瀬戸内の「斎灘(いつきなだ)」に面した温暖で雨の少ない気候による古くからの柑橘栽培と、太陽石油の大型の製油所により発展してきた、文化と農業と製造業のバランスがうまくとれた地域です。
この地でじゃがいも、玉ねぎなどの栽培をしている田村さんは、いわゆる脱サラ、Uターン就農者。46歳でそれまでがむしゃらに勤めた営業職から離れ、ふるさとへと戻った田村さんですが、当初から大規模展開を推進する、県内有数の「攻めの農家」です。
じゃがいもは春作で約2ha、秋作で3ha、玉ねぎは30aと、個人の農家としてはかなりの規模の畑を管理していますが、意外にも所有する農地はごくわずかで、多くは借り上げた地域の耕作放棄地。「就農して10年は両親から受け継いだみかん山で頑張ってみたんですが、きっぱり諦めたんです。これから始める柑橘栽培ではやっていけないだろうと判断したから。これからは平地での野菜栽培。しかもとにかく広域でガンガン作れるものでないと勝負にならんとね。」

地域に合った作物を無理なく作れば、自然に定着してくるはず。

46歳と言うスタートは、プロの百姓になるラストチャンスだと思ったという田村さんが精力的に栽培面積を拡げる理由は「産地として認められるため」。まとまった量を確実に生産しつづけることができなければ、将来的に当てにされない。そのためには無理なく作れる作物や品種の選定が重要でした。
北海道を中心に栽培されるメークインや男爵は、5ヶ月以上栽培しなければ味があがらない品種。適地適作の考えに基づき、長崎を中心に根付いているデジマやニシユタカを導入したところ、今治の気候によく合ったとのこと。
「近年西日本の気象も変わり、春作=降雪や遅霜がなくなってから入梅まで、秋作=気温が28度を下回るようになってから降霜まで、という栽培期間が徐々に短くなってきました。早く採れる品種を選んでいかないと、畑が回らない。」
旬のものを露地で無理なく作ることで、計画に合った成果を導きやすい。結果、農薬や化学肥料に頼ることもなくなり、じゃがいもと玉ねぎにおけるエコファーマー(県認定)の認証を受けています。

「明後日の夢も大事だが明日のパンも必要」と若手を導く地域のリーダーへ。

さらに、「種子ばれいしょ」の生産者として県からの委託を受けている田村さん。近年は委託生産者の高齢化により、供給が追いつかない状態が続いていると言います。「ちゃんとついて来れる後継者を育てなければ」という思いが強くなったと言う田村さんは、現在、今治市内や県外からの若い就農研修生を受け入れています。機械のオペレートや有機的栽培方法を指導する傍ら、ユーモアを交えて自身の農業観も伝えているのだそうです。
「農業へ強いこだわりや憧れを持って臨む若者ほど、実は挫折しやすいんですよ。ケ・セラ・セラ。明日の食糧さえ確保できるなら大きな問題は後回し、という考えを持つことも大切だよ、と教えてやりたいんです。」
収穫したじゃがいもや玉ねぎは、ほぼ全量が地元産直市場や学校給食へ供給されています。「地産地消が百姓の原点だと思ってますから、まずは今治で消費、愛媛県内で消費、それから全国へ、というのが理想。結果的に地域が振興しないと農業する楽しみがないでしょ。」
一見ゆる目の攻め姿勢、これからのリーダーの新しいスタイルかもしれません。

研修生の受け入れや、アルバイトの活用をしながら家族的経営をしている田村さんは、何事も常に無理なく持続できる方法を模索していると言います。ばれいしょの品種についても、今治の気候に合ったものであることはもちろん、樹があまり徒長せず、芋が樹のすぐ下につきやすいなど「作業のしやすさ」を重視し、こだわるポイントがはっきりしています。
直販などにも積極的に参加することで、消費者の声もすぐに反映。色んな品種を色んな料理で楽しみたいというニーズを実感し「これからは多品種展開でアピールする時代。それをわかっていながら実践しないのは生産者の怠慢。」と言いきります。押すようで微妙に引くという、絶妙のテンポと人柄で、お客さんだけでなく農業者仲間からも慕われる存在です。

ホクホク感が強く、煮物やサラダに向く「デジマ」。この他ニシユタカ・アイユタカなどを順次栽培。 ポテトハーベスターと言われる茎葉処理機。芋だけを地中に残すので収穫作業が楽に。 地元の女性農業者の中心的存在でもある聡明な奥さんの支えも大きく。手作りの看板も◎。
もっと美味しく!食財メモ

今治市は学校給食の地産地消化に古くから積極的で、ほぼ全量地元産、と言う日も珍しくありません。肉じゃがやコロッケなどに、田村さんの野菜が多く使われています。
人は「肉じゃがにはメークイン、コロッケには男爵」などと一度決めつけると、なかなか他の品種は試さないといわれますが、多品種展開の流れの中で、新しい美味しさが見つかるチャンスを逃すことだけはしたくないものです。 
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