新着食財情報

ゆうぼくの里 はなが牛

TEL:0894-62-5877

飼料米で育つF1牛。畜産を含めた地域全体の農業を残すための道筋つくり。

交雑牛の良さを感じて欲しい。目の行き届く地元産の子牛だけを飼育。

古くから酪農が盛んだった西予市は、県内有数の米どころとしても知られています。自然豊かなこの地で、地元産の飼料米を食べて育つのが「はなが牛」。歯長峠を有する盆地ならではの適度な冷え込みが、牛が無理なく自然な速さで成育できるという恵まれた条件の下、岡崎農場から出荷される年間280頭の牛は、全て交雑牛と乳雄牛(乳牛として利用できないホルスタイン種の雄)です。
「おいしい牛肉」「ブランド牛」と聞くとすぐにサシの入った和牛というイメージが浮かびますが、岡崎さんが交雑牛にこだわる理由はひとつ。「和牛は庶民が日常的に食べ続けられる価格ではないですからね。」
もちろん、価格面だけではありません。雌のホルスタインに雄和牛を掛け合わせる交雑牛は、両親のそれぞれの長所を併せ持ったり、より高い品質や能力をもつ可能性があり、和牛よりも安価でありながら、より和牛に近い味わいが楽しめる牛。病気にも強く、品質面でも高いレベルを維持しながらの安定的な供給が可能なのです。しかも、岡崎牧場では酪農家と連携し、指定した和牛の血を引く子牛を野村、宇和、肱川など目の行き届く地元から全頭調達しています。

畜産農家が販売まで手がけることで伝わる、責任とこだわりの重さ。

「はなが牛」の特長は地元西予市新城地区で栽培されている飼料用米の稲ワラがふんだんに与えられていること。リーマン危機以降、特に畜産は大変な打撃を受けており、あえて高コストな米を飼料にすることは非常な困難を伴いました。しかも牛は加工された米でないと消化できず、総コストはトウモロコシの約2倍以上。しかし、年間120トンの飼料米を消費することで、「地元内での循環をうまく形成することで、地域の農業の底力をあげていきたい」のだとか。
さらにゆうぼくの里では年間280頭出荷する牛のうち約150頭を一旦買い戻し、自社で直販しています。畜産農家が精肉を消費者に提供する例は珍しく、高レベルな肉質へのこだわりから商品に対する自信と責任が感じられます。抗生物質やホルモン剤を与えず、誰でも食べたものがわかる仕組も作っています。
平成8年には牛肉の加工会社を設立し、精肉のほかハムなどの加工品の生産販売にも着手。当初売れ残った肉が薫り高く熟成され、味わいがよくなったことから、熟成という概念を理解したといい、その後様々な研究を重ねて、現在は0~5度で約1ヶ月熟成したものを販売しています。

失敗を恐れず、それを重ねて成功を導く。このことを伝えるのが使命。

27歳の時渡米し、カナダ、アラスカ、メキシコなどを半年かけて放浪したという岡崎さん。生業を農業と決めて実家で就農しますが、当時はまだ土地の流動化がなく規模拡大ができなかったことから2年で耕種農家を断念し、大野ヶ原で一年間の畜産、主に種付け修行を受けました。「水田、野菜、畜産の複合経営が理想でした。」という岡崎さんですが、昭和55年から始めた畜産経営は厳しく、2匹の濡れ子の肥育からスタート。資金難から牛舎は園芸用のビニールハウスだったため、大雪や台風で潰れたことが何度もあったそう。昭和60年頃から地元農協のサポートにより牛舎が整い、徐々に規模拡大が進んできたのだといいます。
「本当に苦しい時代が長く、失敗の連続でした。でもこの経験を次世代に伝えて、糧にしてもらえるなら、悪くないとも思いますよ。」
地元高級料理店で熟成肉が扱われたことで顧客の口コミでその美味しさが広がり、生協、コープ自然派との取引がスタート。地域内の循環を強化し、農業ができる基盤を整えることで後継者の帰る場所を作りたいと、常に次世代への健全なバトンタッチを意識した経営を進めています。

飼料米三兄弟、とでも言うべきでしょうか。愛媛の農の根底を支えたいという熱い男達のトライアングルの一辺に立つのが岡崎さんです。土地を荒廃させないために大豆とともに飼料米を栽培する「新城生産組合」。そこで採れた米を食べて育つ「イヨエッグ」の米っ娘たまご。そして稲ワラを食べるのが、ゆうぼくの里のはなが牛です。こうした地域内の「農業力」を強化することで次世代への橋渡しの準備、ソフトランディングへの地馴らしをすること、また自身の失敗を伝えていくことが自分の仕事だと言い切ります。
昭和60年代、規模拡大の際に協力してくれた恩人の言葉「人は人によってしか人にならない」に忠実に、地域は常に人で繋がり、農業は人が伝えるものというゆるぎない信念は息子さんたちに伝承されていくことでしょう。

どんなものを食べているのか、売り場に実際に展示してこだわりと安心感をわかりやすく演出。 交雑牛は24ヶ月、乳雄牛は約21ヶ月飼育。清潔で徹底した整備の牛舎では牛達ものんびり。 一頭当たり1日2kg、年間700kgの飼料が必要。同じ志を持った仲間同士の連携が鍵。
もっと美味しく!食財メモ

熟成することで肉の旨みが引き立つことを、自らの失敗と経験から学んだ岡崎さん。その味を評価し、魅力を伝えたのは地元の料亭、そして実際に食べたお客様の口コミの力でした。
過度の脂肪を含まない赤身肉は、肉そのものの味がダイレクトにわかり誤魔化しが利かないもの。ステーキにしたときにドリップが少ないことも、はなが牛の特徴です。「足し算しないで余分なものを出来るだけ引いて育てる」というポリシーが納得できる味わいです。
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