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有限会社あぐり 伊予あぐり米

TEL:089-984-3617

建設のノウハウを活かした究極のトレーサビリティで無農薬の米作り。

緻密な人材管理システムを活かした農業参入が成功。

あぐりは2000年に設立された農業生産法人。母体は県内全域で舗装業などを手がける建設会社の「愛亀」。1995年ごろをピークにして公共事業が減少の一途を辿り始めてから常に将来への危機感を抱いていた西山社長が、社長就任と同時に立ち上げた農業部門でした。
スタートはメロンやいちごなどハウス内での高付加価値フルーツ栽培でしたが、すぐに米作りへと方針転換。その理由を事業部長の大森さんは「我々が建設会社だからですよ。」と説明してくれました。
公共工事が激減する中で、高い技術力をもった社員をどう使うか。舗装を中心とした工事はほとんどが秋から春に行われることから、秋までに作業が終わる「米作り」が最も効率が良かったそう。年間を通じての人材管理が徹底している業界ならではの発想と言えます。
立ち上げ後2年で近隣の耕作放棄された田を請負い、栽培に成功。2003年には口コミで集まった6haの田を管理するまでになり、2004年には10ha、翌年には2倍の20ha、2012年現在は50haに。実はそれら全ての田を無化学農薬、無化学肥料栽培で管理をしているのです。

法人としてのエコファーマー認定。有機農業に不可欠なある習慣が日常化。

2003年に愛媛県知事より自然生態系本来の力を利用した持続可能な農業を進める「エコファーマー」の認定を受け、現在まで全社で生産する全ての農産物は化学肥料および化学農薬を不使用。年間15~20品目の野菜を栽培し、米は10aあたり7俵(420kg)の収穫を目標にしています。アイガモ農法も取り入れており、年間60羽が有望な戦力として投入されています。
「有機栽培には精密なデータ管理、蓄積が不可欠なんですよ。我々はスタッフそれぞれの作業情報や進捗状況を細かく日報に反映する習慣がついてますから、日常的に無理なくトレーサビリティを積み上げていくことが出来るんです。」
機械部、事務職、現場管理の後あぐり配属となった大森さんは農業の経験は全くなかったそう。農産物に触れたのは唯一、大学時代の卸売市場でのアルバイトで、その経験は生産だけでなく販路の開拓まで行う現在の業務に大きく活かされていると言います。「現場のスタッフも本来は重機を自在に扱うプロの技術者たちですから、作業の機械化はとてもスムーズに進みました。」

建設業者だからできる地域貢献で、より地域に根ざした農業を。

有機農業に欠かせない堆肥。自社の敷地内にある大型の堆肥場には、おからや焼酎かすなど地元業者から出た食品残渣が集められます。さらに、これまで焼却処分していた松前町内の街路樹剪定や重信川土手の草刈で発生する木質ゴミに加えて、町民3万人の一般家庭から出る剪定枝など全ての木質性廃棄物を集めて堆肥化しており、その量は年間800トンに上ります。町全体のゴミを全て引き受ける例は、全国でも唯一で、「耕作放棄地を請負うだけでなく、建設業者だからできる貢献も重要」とのこと。
地元の大手量販店を始め、飲食店や旅館、幼稚園や産婦人科の給食などからのニーズが増えているそうで、この事業の成功は、どれだけ多くの企業と、協力連携ができるかにかかっているという大森さん。「うちのお米は一般のお米よりは当然高価です。だから絶対に味を落とすわけにはいかないし、理解して買ってくださるお客様との信頼関係を大切にしたいんです。」有機農業の先駆者として、地域の生産者仲間の中心的役割も担っていきたいと意欲を燃やしています。

昔は農業と土木の境目はなく、農業から土木、建設へと産業が発展し、今原点へ回帰しているだけとも言えます。愛亀が得意とする道路工事と米作りの親和性には大いに納得させられるものの、実際にここまで事業を成長させることができたのは、各スタッフの意識の高さがあったからでしょう。
わずか一袋の米についても、どの田で収穫され、誰がいつどのような作業をしたかを全て追うことができる究極のトレーサビリティが、日々の日報と人材管理によって実現したことも興味深く、土壌診断やGAPの実施も土木事業の発想から行っていることなどを考えると、建設業と農業は実は密接であるべきとすら思えてきます。
地元のシルバー人材センターなどと連携することで更なる人材投入も可能で、一層の規模拡大も考えられるとのこと。食味調査など、東大や東農大、地元愛媛大学などとの共同研究も推進しており、地域内の独自の立ち位置を目指しています。

通学路の脇にある畑で働くアイガモたち。地域の子供達にも大人気で農と触れ合うきっかけにも。

無農薬とは思えないきれいな野菜たち。プロの意地で妥協のない仕上がりを目指しているそう。

赤米、黒米、緑米の3色セットが人気。炊くとほんの色付く程度でモチモチした食感が最高。
もっと美味しく!食財メモ

「くじけず、おごらず」これはあぐりの母体、愛亀の社是で西山社長が座右の銘として常に心がけている理念だそう。県知事認定「エコファーマー」が作った「あぐり米」を100%使い、松山市内の老舗「桜うづまき」で醸された純米酒です。驚くような派手な趣向や味わいの深みはないものの、穏やかな香りと優しい口当たりのバランスが良い純米酒。料理を邪魔せず、じっくり長く楽しめるお酒です。
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