新着食財情報

有限会社南予園芸 ライム

TEL:090-3189-0818

地球に優しいガラス温室で愛情いっぱいに育てられる愛媛のライム。

ガラス温室でのロックウール養液栽培。パプリカからの転換。

歴史ある古い町並みが残る西予市宇和町。南予の米どころとしても知られ、名水100選に選ばれた観音水を有するなど、今も自然が多く残る静かな町です。
ここに通常よりもかなり軒高いガラス温室が建設されたのは平成12年。現在は全国的にも広く注目されている太陽光併用型植物工場を、いち早く導入した南予園芸は、県内で初めて、本格的なパプリカ栽培に着手しました。
ロックウール培地には複合型制御コンピューターにより、時間、供給量、濃度を最適にコントロールされた養液が24時間体制で給液され、自走する噴射式防除ロボットの使用により、栽培や管理作業の効率も高まりました。10000株以上でスタートしたパプリカ栽培は植物工場ならではの均一品質と安定した出荷量、国産という安心感で県内外で大変好評を博しました。
しかし、2倍以上となる重油価格高騰により、野菜類の中では特に高温の管理が必須だったパプリカ栽培は採算がとれず、大打撃を受けることとなりました。

土壌をそっくり入れ替え、まさかの柑橘工場が完成?!

そこで、南予園芸では栽培品目の転換を余儀なくされ、様々な模索を始めます。役員でもありハウスの栽培責任者だった二宮さんは「すでにあるこの高度なハウスとシステムを活かして、なんとか地元の農業を盛り上げる方法はないだろうかと考えました。」と当時を振り返ります。日当たりがよく、高い枝でも作業が可能なレール式の電動高所作業車も完備された快適なハウスの中で、新しくチャレンジした品目はまさかの「柑橘」でした。
愛媛といえばハウスみかんをはじめとして中晩柑類の施設栽培技術はもちろんトップクラスでしたが、植物工場での栽培は過去に例がなく、ゼロからのスタートに等しいものでした。それまでにいちごやレタスなど様々な品目の栽培を手がけてきた経験豊かな二宮さんをはじめとする栽培スタッフは、ロックウールでは柑橘の根域確保は難しいと判断。ロックウールを廃棄し、真砂土と堆肥を混合した数百トンの大量土壌をハウス内に搬入しました。親会社である建設会社の重機をフル活用し、あっという間に柑橘工場が完成したのです。

ジューシーな国産ライムの可能性。愛媛から発信中。

軒高いハウスのため、通常の施設栽培よりも高所スペースの収量拡大が見込めるだけでなく、植物工場ならではの徹底した灌水管理、安定した温度設定が可能となり、導入した紅まどんな、甘平、デコポンなどの仕上がりは上々。中でもタヒチライムには大きな期待が寄せられています。
「輸入ものより断然果汁が豊富なところが評価されています。点滴チューブで一株づつ灌水しているからでしょう。」
日本に輸入されるライムのほとんどは、小ぶりで緑の濃いメキシカンライム。南予園芸が手がけるタヒチライムは約2倍の大きさで果汁が豊富なことが特長。熟すと緑はやや黄みを増しますが、独特の香りと風味が好評で県外業者へも継続して出荷しています。
2重張りのハウス内でも0度を下回ると花が落ちるため、冬季は夜温低下を抑えるため廃油ストーブを設置して緩やかに加温するなど、人の手をかけることも。しかし葉数、着果数の管理がしやすい垣根栽培により作業効率も上がることで、愛媛のライムが今後さらにあらるゆ食シーンを彩ることになるでしょう。

植物工場分野において、愛媛は実は先進県です。企業だけでなく大学の研究施設としても運営されるなど、県内各所に多数の施設がありますが、柑橘栽培はおそらく全国でも例がありません。傷や色むらがないという見た目の美しさはもちろん、防除や品質保持のための農薬が要らないことで、安全性もアピールでき、オーガニック系の業者からの引き合いも増えたとのこと。こだわりを共有できる関係を築きたい、と話してくれました。
過去の取引先の要望で、ロックウールでのパプリカ栽培も継続しており、小松菜やほうれん草、アスパラなどの葉菜類の栽培も開始。特長ある地域農業としての生き残りをかけて、栽培スタッフのあくなき探求が続いています。

ロックウールでのパプリカ栽培も1ハウス内で継続。これまでの取引先からは高評価が続いています。

重油高騰により、ハウス内の加温には様々な工夫が。廃油ストーブを使った夜温低下対策も。

レモンと同じく四季咲きのライム。実がなるのと同時に花が満開となっています。いい香り。
もっと美味しく!食財メモ

地域の期待を背負って建設されたハウスには、当時のさまざまな最新技術が搭載されました。時代の流れやニーズの変化によって柔軟にその中身を変容させてきた南予園芸。静かな自然の中にたたずむガラス張りの近代的なハウスは、不思議と不釣合いとは感じません。
ライムは料理や飲み物に付け合せてその美味しさや風味が際立つ果物で、言わば名脇役です。どことなく県民性が現れていると感じるのは私だけでしょうか?
ページトップへ戻る
Copyright (c) 2010 Ehime prefecture. All rights reserved.