新着食財情報

奥平農園 甘平

TEL:080-1995-8545

目指すのは「みんなが笑顔になれるハッピーな農家」!

恵まれた環境の中でも、やるなら「本気」で。

宇和島市吉田町は有名なみかん産地ですが、奥平さんの住む「奥南(おきな)地区」には専業のみかん農家は少ないと言います。美しい海に面した山々を有すこの地区では、漁業との兼業が主流。本当に吸い込まれるような澄んだ海と空との境界に、奥平さんの山畑はあります。
幼い頃からみかん山が大好きだったと言う奥平さんは、お父さんの働く背中をずっと見てきたことで農業に興味を持ちます。農業大学校を卒業後、すぐにお父さんと共に働く道を選びましたが、そこにはある「本気」が。
「農業大学校で同じ夢を持つ仲間に出会ったことが大きい」と話す奥平さんは、同級生だった仲間を中心に結成したグループ「農業戦隊タガヤスンジャー」の一員。メンバーそれぞれが似たような悩みを持ち、それに真剣に立ち向かうという日々を過ごす中で、「夢を持って本気で農業をやろう!」と強く思うようになったのだそうです。
「本気」の第一歩は、栽培が非常に難しいと言われる、この「甘平(かんぺい)」です。

愛媛期待の新品種「甘平(かんぺい)」。この難敵と戦う農業戦士!

愛媛県によって育成された品種「甘平(かんぺい)」は、2007年に品種登録されたばかりの新顔柑橘です。
大変な大玉、そして横から見ると明らかに扁平な形は独特ですが、どことなくゴツゴツとした艶消し感のある風貌は、青島みかんに似ているという印象です。
しかし、その食味たるやこれまでにない新感覚!極うすの外皮を「つるり」と剥くと、ぎゅうぎゅうに詰まった果肉が飛び出します。中の袋はオブラートのように薄いのでそのまま食べることができますが、しゃきしゃきとした果肉が口の中で心地よく踊りだします。
「甘平(かんぺい)」の親は「西之香」×「ポンカン」。清見由来のジューシーで香り高い西之香と、甘味の強いポンカンのいいところだけを継承したともいえます。
この期待の新顔柑橘にはもうひとつ特徴が。それは栽培の「難しさ」です。
大玉果な上に外皮が極端に薄いことから、夏場の成長期に皮が追いつかず、実が割れてしまう「裂果」が起きやすいのです。どの柑橘にも一定時期に起こる現象ですが、甘平については対処策がまだ明確ではなく、どの生産者も知恵を絞って裂果を防ぐために戦っている状況と言えるのです。

恵まれた自然の中で、それぞれの柑橘にあった作り方を実践。

せとかと並ぶ高級柑橘として期待される「甘平(かんぺい)」にとって、裂果は栽培上深刻な問題ですが、奥平さんは「特化した栽培方法をじっくり考えたい」と言います。成長が著しくて果実が割れる時期には、水を多く与えるという単純なことだけでは解決しないそうで、春先の気温、また花付きの状態など、様々な条件を総合してみていく中で、最良の作り方を見つけたいと意欲的に話してくれました。
奥平農園では、年間を通して様々な品種の柑橘を栽培していますが、「糖度・酸度といった特徴よりも、柑橘のコクや旨みを大切にしたい」と話してくれました。いい栄養状態で正常な生育をさせれば、花も実もしっかり作れ、その品種本来の味、本来の美味しさを発揮できる。例えば水を切って糖度を乗せるのではなく、水を欲しがればちゃんと与えて、元気に光合成させることで味を乗せていく作り方。「僕だけが世話をするんじゃなく、こいつら(果樹)にも頑張らせることで美味しくしていく」という、樹との真剣勝負を続けているのだそうです。
「自然の中での仕事は最高に気分が良いし、作物の成長や小さな発見が楽しい!」と笑う奥平さん。好きなことを仕事にできる幸せが伝わってきました。

9月の極早生温州みかんから始まり、伊予柑、雨よけみかんや清見タンゴールなど、多種多様な品種を栽培する奥平農園は、お父さんが手がけたみかんのハウス栽培から大きく成長してきました。昭和50年当時はハウスみかんが大当たり!現在も40aで愛媛県育成の新品種「紅まどんな」や「甘平」などをハウス栽培しています。
当時の施設栽培の技術差は、新しい品種にも大きく影響します。偉大な師匠のアドバイスを受けながら、奥平さんも自分なりのスタイルを模索中です。タガヤスンジャーの仲間たちと一緒に進める販路拡大活動も熱が入っており、様々な角度からの刺激を受けられる環境が奥平さんの最大の強みかもしれない、と思いました。
リン酸・カルシウムを使った土壌微生物を増やす農法の推進も、今後注目していきたい点です。

傾斜地果樹園には欠かせない運搬機「モノラック」。想像以上の急斜面を、パワフルに走行!! お父さんの栄行さん。昭和50年代から手がける施設栽培技術と、独自の土壌作りを幸徳さんに伝授中。 色ついた柑橘の退色を防いだり、鳥害から守るために被せる布製の袋(サンテ)。ひとつひとつ手作業です。
もっと美味しく!食財メモ

河内晩柑(別名:宇和ゴールド)は、グレープフルーツに似た大玉の晩柑で、5月以降の初夏が食べ頃。そのまま食べるだけではなく、果汁とお酒を組み合わせて楽しむこともでき、今人気の高まっている柑橘です。
奥平農園でも、大玉の美しい河内晩柑が青く輝く海に向かって沢山実っています。風に揺られながら、完熟のその時を待っているようでした。
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