新着食財情報

井上農園 大葉

TEL:089-979-6952

野菜の持つ力を「助ける」作り方で、大葉を追求する男

高設栽培にもかかわらず、あえて土を使うこだわり。

もともと柑橘や葉物野菜を栽培していた井上さん、現在は大葉を専門に作る生産者です。15aの施設で、沢山のスタッフとともに瑞々しい大葉を育てています。
見渡す限り一面の清々しい緑色に、爽やかな香り。ハウス内は清潔そのものです。
こちらではいちご栽培などに使うベンチによる高設栽培をしていますが、「大葉は農薬漬け」という印象を払拭するべく、化学合成された農薬や肥料を使わない栽培を長く実践していても、残念ながら「有機とはいえない」のは、高設ゆえ。しかし培土へのこだわりは深いものがあります。
通常、ベッド内の土を管理しようと思うと、自然由来の土を入れたがらない生産者さんが多いのですが、井上さんは杉皮やピートモスに加えて、真砂土を必ず配合しています。
「地球上に昔からあるもんを少しでも入れとかんと、必ず大葉の調子が悪くなる。定期的に足していって土の力を上げよるんよ。」
土の入れ替えだけでなく、日当たりに応じてベッドの向きまで変えてしまうという(これは想像を超える大変な作業!)徹底ぶりで、美味しさだけではなく、作業効率、収穫量をも上げるためのコントロールをしています。

「柑橘だけやっていた頃より、毎日ほんとに、幸せです♪」

大葉は、一般家庭の食卓で日常的に不可欠な野菜ではないかもしれませんが、年間通じて「無いと困る」野菜のひとつ。「他に代わるものがない」野菜ともいえます。
最も需要の高まるのが、7~8月と、年末年始。その作業量はハンパではありません。
可愛らしい笑顔が印象的な奥様が、井上農園の出荷担当者です。様々な注文に応じてスタッフに収穫・選別の指示を出し、商品として出荷するまでの責任の重い仕事ですが、以前の柑橘栽培の頃に比べて、ずっと楽しい毎日なのだとか。
「柑橘の頃は、主人と一緒に山へ行って、一緒に帰ってこないといけなかった。毎日ずっと二人で同じ仕事をして、そのために自分の時間を合わせていたんです。」今はそれぞれのスタッフが分担して作業を進めるため、忙しい主婦の立場でもある奥さんやパートで働く女性スタッフ達にとっては、自分なりのスケジュールを効率よく組めることが何より快適なのだとか。自分の仕事として責任を持ってやれる、という誇りもまた、農家の女性たちを美しく輝かせる「鍵」なのかもしれません。

日持ちが良いのは、葉の持つ力が充満しているから。

収穫はもちろん手作業。「大葉は傷みやすい」というイメージがありませんか?
井上さんの大葉は、「美味しくて日持ちがいい」と高く評価され、京都から名古屋といった消費量の多い地域との取引が多いだけでなく、県外の研究機関から調査依頼が入るほどの評判です。
夏場や極寒期には色が抜けたり葉先が枯れやすく、小さな芽の先が混入しただけでもクレームが入るほど大葉はデリケート。また窒素が蓄積すると「えぐみ」が出て味が落ちるといい、そういうものは一切出荷をしないという徹底したこだわりが信頼を作ってきました。しかし、障害が少なく健全な葉が圧倒的に多いのは、有機質の培土や植物性の防虫剤などで「葉そのものの力」をバックアップしているからだとか。力のある葉は細胞壁が厚く、傷みに強く日持ちがよくなるものです。
「何の農作物でもそうやけど、人間が作るんじゃなくて、大葉は大葉の木が作るもんよ。人間はそれを手助けしよるだけ。」と語る井上さんの頭の中には、どうやって大葉をストレスから守るか、というアイデアが次から次へと浮かんでいるようです。

初めてお会いした時、がっちりとしたスポーツ選手のような迫力ある体格の井上さんに圧倒されたんですが、お話を伺えば伺うほど、その繊細で緻密な作業の積み重ねに驚きました。
自分で種を採り、葉から発根させて自分なりの選抜品種を育て続ける真摯な姿勢が、高評価に繋がっていることは間違いありません。
柔らかく傷つきやすい葉っぱ一枚一枚を大切に思う気持ちが、井上さんの身体に詰まってるんだなーと思うと、大葉たちも元気で長持ちすることで井上さんの期待に応えているのかも・・とも思えてきました。
勉強を重ねて自分で作る安全な葉面散布剤の数々が効果を出し、慣行栽培の1/10に農薬を減らしたと言います。そのため、香りの強い「大葉らしい大葉」が出来上がっています。
大葉のような特徴のある味わいの野菜は、子供の偏食のターゲットにされがちですが、こういった「本物の味わい」こそ、味覚を作る時期には必要不可欠な要素だと思います。

防虫剤として使っている「ニーム」はインド栴檀の実の抽出油で、欧米では無農薬・有機栽培に利用。 スギナと消石灰の上澄み液で作る防虫剤。自分の手で安全なものだけを作るというポリシーです。 寒い時期は発根しないので、コタツで温めて発芽させるそう。1つづつ植え替えれば元気に発根する!
もっと美味しく!食財メモ

近年、大葉に期待されている機能性として、「花粉症の軽減効果」があります。
アレルギー症状を緩和する成分に加えて、豊富なベータカロテンが皮膚粘膜を強化するというのが根拠ですが、「添え物」程度の摂取量ではあまり変化はないのだそう。
大葉ジュースにしたり、大葉パスタにするなど、「主役級」のメニューに使うことで、効果が実感できるようになるのかも。数枚重ねて豚肉で巻いたものなら、お子様にも食べやすく、お弁当のおかずにも大人気です。
ページトップへ戻る
Copyright (c) 2010 Ehime prefecture. All rights reserved.