新着食財情報

大心くだもの園 はれひめ

TEL:0897-82-0638

30年後の大三島の農業を守るため、挑戦し続ける後継者。

「この地に合っている」という自信作が、はれひめ。

しまなみ海道の愛媛の入り口とも言える大三島。鶴姫伝説・大山祇神社を有する海のイメージの島ですが、古くから柑橘栽培が盛んです。
お父さんの代からの農園を継いで間もなく10年になる渡邉さんは、生産者という視点以外のさまざまなアンテナを持っています。大学時代に工学部から法文学部へ転籍。卒論で愛媛県内の70箇所以上の農産物直売所を訪れて調査したことが就農のきっかけとなりました。
「自分で販売まで管理して直接お客と接している農家ほど、楽しそうに仕事をしていました。そういう農業なら、自分もやっていけると思ったんです。」
お父さんが経営するお土産屋さんの店頭には、自身が栽培した沢山の柑橘が並んでおり、多くの観光客で賑わっています。これまで大都市部への営業活動も盛んに行っていたお父さんの影響で、渡邉さんには「作ったものは責任を持って売る」というシステムがしっかり身についていたのでしょう。関西圏の有名スーパーで指名買いされるというイチオシ品種が、この「はれひめ」です。酸が上がりにくく、水を切っても酸っぱくなりすぎないことから、「この地での栽培が適しているから面白い!」のだそうです。

ハイヒール大歓迎!みかん狩りにいらっしゃい♪

10月上旬の極早生みかんから5月に収穫するカラマンダリンまで、大心くだもの園では途切れることなく品種のリレー栽培を行っています。園地は「みかん狩り」ができる観光農園としての機能も持ち、とても山の上とは思えない、開かれた整地が広がっています。
台(うてな)ダムからの取水権を利用した灌水も万全で、寒さ除けネットなどを利用した「越冬完熟栽培」にも力を入れています。
実は10数年前からお父さんが建設用の大型機械を操り、山を開墾し園地の舗装をしたのだそう。畑に降る雨がスムーズに外に流れることで圃場の管理がしやすい上、どの畑にもすぐ横まで軽トラックが入れる幅を確保したことで、作業効率が格段に向上しました。ほぼ全域にマルチを敷くことでさらに水はけが良くなり、結果として柑橘全体の味が上がってきたのだと言います。
この園地内通路とは思えない広々とした道幅なら、車椅子でのみかん狩りも楽々。お弁当を広げて、ピクニック気分を味わうこともできます。ハイヒールで来園しても、靴を汚すことなくスマートに楽しめるというのは驚きです。

柔らかい有機質の土作りと除草剤を使わないみかん作り。

みかんやはれひめなど、水分カットが必要な品種が多いため、園地のほとんどでマルチ栽培を行っていますが、適度な水分が必要な品種の場合は開閉は自在。水分管理だけでなく、雑草の抑制に繋がることから、こちらでは除草剤は使用していないのだとか。一般のお客様が訪れることの多い園地では、大きな訴求ポイントです。
また、水はけの良い真砂土に牛糞堆肥を使うことで、ふんわりと柔らかな根張りができるような土作りを心がけているのだとか。マルチの下には5センチほどの厚みの堆肥。放線菌も活発に動き、寒い時期でも健康な土を保っています。
意外なことに、大三島は愛媛県での最低気温を記録することがあるほど、冷え込みの厳しい地域。袋かけや防寒ネットなどを使って柑橘の表面温度を上げ、早もぎをしないで越冬させる栽培を行っているのだそうです。柑橘本来の味わいが発揮できるよう、樹上にならしたまま完熟させることで、多くのお客様に喜んでもらえる商品になるのだとか。
また、大型の貯蔵冷蔵庫の中では、適切な温度・湿度を管理し、春~夏の出荷体制も万全です。

農作物には「作るプロ」と「売るプロ」がいますが、できればその両方の視点を持てることが理想です。渡邉さんにはおそらく、就農前からその両サイドの考え方が自然に身についており、「目の前にある問題をどう解決するのか」という道筋を、とても柔軟に考えることができているのだと思います。これから様々な経験を積み、多くの情報を集めることで、その視野はさらに広がっていくことでしょう。
実は大三島では、農作物への鳥獣被害が深刻です。特にイノシシに畑を荒らされることで、離農するベテラン農家も少なくないそうで、耕作放棄地との関係性は大きな問題。「20年後30年後、大三島で農業ができなくなるかもしれない」という危機感を抱いた渡邉さんらを中心としたグループで、捕獲したイノシシ肉を販売する事業を展開中です。この地で農業を続けるために、敵を「排除」するだけではなく、敵を「利用」すると言う考え方。こうした柔軟な発想力がある限り、この地で農業ができなくなる・・なんてことはなさそうですよね。

全国の山祇神社、三島神社の総本社である大山祇神社。参道入口のすぐ横が「大心」の店舗。 ご両親が経営するお土産屋「大心」は、多くの観光客だけでなく地元の人々も集う温かい憩いの場。 お父さんが大型建設機器で切り拓いた山の断面。思わずプロの仕事かと見紛うほどの徹底ぶり。
もっと美味しく!食財メモ

年間通じて様々な柑橘を栽培する大心くだもの園では、しまなみ地域の「グリーンツーリズム」にみかん狩り体験メニューでエントリー。来島海峡を望む景色と美味しいみかんの組み合わせは、ぜひ足を運んで実感するべき。渡邉さんがはれひめの次にプッシュする、この「デコポン」は、5月頃までが食べ頃です。
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