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東予園芸農業協同組合 完熟デコポン

TEL:0898-68-4545

貯蔵しないで葉つきで出荷する「完熟デコポン」にトライ!

「普通のデコポンでは、勝負にならないんですよ。」

東予園芸のデコポン部会長を務めるのは、本格的に就農してまだ5年と言う山内さん。専業農家としてのキャリアは短くても、モノ作りに対する思い、産地を育てる強い意欲を持った、リーダーにふさわしいお人柄です。
施設栽培で多くの柑橘を出荷しているこの管内で、デコポンも主力品種としてエントリーされていました。しかし、意外に気温が下がりやすく酸の高いデコポンに仕上がることが多かったため、その味の評価は大産地である九州はおろか、同じ県内の他産地に比べてもあまり芳しくなかったと言います。
「それなのに、他と同じような作り方で出荷をしていたら勝負にならない。自分がやるなら何か特徴を出した作り方をしてみたかったんです。」
サラリーマンから転身するにあたり、こう考えた山内さんは、酸の切れが悪いことを逆に利用し、樹に成らせたまま完熟させて酸を抜いていく作り方を試してみることにしました。通常のデコポンに必要な「貯蔵期間」がないため、葉っぱをつけたまま収穫してそのまま出荷できるという「葉つきデコポン」を目指したのです。デコポン部会はわずか4軒。普通のデコポンでは量が少なく市場でも通用しない。他にはない新しい価値観を作ることで、産地が力を持てるようにと考えたのだとか。

この形がなんと言っても魅力的。だからこそ味は裏切れない。

独特な形とその味わいで、日本だけではなく今や海外でも人気が高いデコポン。山内さんもそこに惹かれた上で、「だからこそ味のいいものを出さないと」と言います。
葉つきの完熟デコポンを目指しつつも、管内すべてのデコポンが完熟になるわけではありません。立地や品種、また高接ぎか苗木からかによっても向き不向きがあるため、早採り向きのものを無理に樹に成らせることでさらに品質が落ちるというリスクも考えられます。東予園芸田野支部の指導員との連携で、毎月の糖酸検査・分析を強化し、最良の形で出荷できる体制を作っています。部会メンバーが少なく、樹ごとのチェックまできめ細かいフォローが行き届くという点も、この管内の大きな強みと言えます。
葉つきの収穫は4月を過ぎてから。ゴールデンウィークあたりの出荷を目標にしていますが、2ヶ月以上の着果負担は相当なもの。翌年は全く実がつかない、ということもあるそうです。そこで収量は約3割カットし、枝のカットもバランスを重視するなど、樹全体の管理に最も心を配っていると言います。

この地に合ったデコポン作りが、必ずみつかるはず!

通常のデコポンは、2月~3月に芽吹きしますが、この時期は樹からクエン酸を取り込んで、そのエネルギーにより成長するのだそうです。つまり、樹にまだ酸が強く残る果実を成らせておくことで、そこからクエン酸を引き出してくれ、デコポンの減酸が進むというわけ。
「人間があれこれ手を加えなくても、時期が来ればデコポン自身が<化けてくれる>という特徴。これを活かしてるんです。」という山内さん。今後は若手にも声をかけ、この地ならではの新しいデコポン作りを広げて行きたいと考えています。
また、ゴールデンウィークの出荷を、さらに遅らせて欲しいという要望も多いことから、収穫した完熟デコポンの保存についても、さらに研究を進めたいとのこと。残念ながら葉は枯れてしまいますが、最適な予冷法を見つけて産地の優位性を強めたいと考えています。
今まで「ハンディ」だと思われていた要素を、すべて「プラス」に転換すると言う考え方は、これまでこの地域で続いてきた栽培方法への考え方と同じ。さらに新しい歴史が始まろうとしている瞬間かもしれません。

農業を始めるまでは、大手メーカーで多くの部署を抱える管理職だったという山内さん。忙殺されそうな日々の中、「身体が元気なうちに、自分の好きなことをしてみたい」と、この世界に飛び込みました。一見、古い体質と思われがちな組織でありながら、彼の新しい発想や取り組みを上手く支えている東予園芸田野支部さんの姿勢に、とても驚きました。
デコポンなどの中晩柑は夏場の温度管理が大切。熱が篭らないよう、7月後半から涼しくなるまでハウスをフルオープンにするのだとか。完熟デコポン作りにマッチするよう、譲り受けたハウスを左右から巻き上がるタイプに改造したのだそうです。普通は一度建てたハウスはそのまま使うものですが、「作るモノが変わったら、それに合うようにシステムを更新するのは民間企業なら当然のこと」だそうです。
施設栽培でなければできないこと。この地ならではの新しい取り組みが、もう始まっていました。

指導員は年毎の数値を細かく管理して的確なアドバイスを。農家も2~3年で樹ごとの傾向がわかるのだとか。 西条市は名水百選に選ばれる水のきれいな土地。施設内にこうした自然の要素を取り入れることも重要です。 やはり大玉が人気ですが、小玉果は樹上での完熟に向いているので、採り分けることでさらなる品質向上も。
もっと美味しく!食財メモ

5月上旬まで出荷可能な葉つきデコポン。現在はさらに遅い出荷を目指しています。山内さんの実験によると6月を過ぎた完熟デコポンは「まるで葡萄のようなすごい味わい!」とのことです。
この地区は梅の栽培も盛んです。この満開の梅花が大きな実となって香る頃にデコポンが食べられるなんて、不思議な感覚ですがとっても楽しみですね。
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