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しまなみイノシシ活用隊 イノシシ肉

TEL:0897-82-0638

大切な農作物を荒らす害獣を商品化してしまおう!という県下初の試み。

イノシシ、海を渡る!瀬戸内海をなんと泳いで大三島へ。

近年は自然界の動物が田畑を荒らす被害が拡大しています。愛媛も例外ではなく、年々深刻化する一方です。
柑橘栽培が盛んなしまなみ地区に昔はイノシシは一頭もいなかったそうですが、山頂付近に耕作放棄地が目立つようになった頃から、姿が見られるようになったとか。なんと対岸の広島県から海を泳いで渡ってくる姿を、多くの漁師が目撃したそうで、ここ10年ですっかり住みついてしまいました。
味の良い大量の柑橘類に、まだまだ豊富に残る自然のどんぐり。イノシシにはパラダイスのような環境ですが、生産者にとっては死活問題。柵や罠の設置や捕獲後の処理を地域で行いましたが、とてもボランティアでは続かないほどの手間でした。そこで平成22年、大三島町・上浦町・伯方町の農家や猟友会ら13名が「しまなみイノシシ活用隊」を結成し、駆除したイノシシを精肉加工商品として販売していくシステムを作ることにしました。
※この料理は、瀬戸内風仏蘭西料理「レストラン門田」近藤シェフによる 「Roti de MARCASSIN de Shimanami(しまなみ仔猪のロースト)」。しまなみイノシシが食べている柑橘類とドングリ酒(リコール・デ・ベリョータ)をソースにふんだんに使った、ストーリー性の高い一皿です。

本格的なワナ猟や解体まで学び、プロに認められる商品作りを進める。

「しまなみイノシシ活用隊」は、廃校により使われていなかった地元の給食センターを利用した解体処理施設を同年11月に完成させ、食肉処理業の許可を得て本格的に始動。会員たちは経験豊富な猟師らから血抜きや解体の技術について熱心に学び、上質な精肉、加工品を作り上げるために努力しています。捕獲数が多い日は夜を徹して作業することもあり、いつかかるかわからない野生のイノシシを商品化することの難しさは、想像以上のものがあったといいます。しかし、柑橘農家の後継者でもある隊長の渡邊さんは、「イノシシの被害がひどく、もう農業を止めざるを得ない…という生産者も少なくない。このままでは地域の農業の未来がなくなってしまう!」という思いで、なんとかこの活動を役立てたいと考えています。
プロの料理人にアドバイスを求め、調理の現場で必要とされる商品や、具体的な処理やパッキング方法など、一歩踏み込んだ商品化へのヒントを集めることもしています。
※こちらは、老舗高級旅館「道後温泉ふなや」久保田料理長による、味噌仕立ての鍋。出汁にほとんど脂が浮いていないことに注目!イノシシ肉のヘルシーさが良くわかる一品。

意外(?)に美味しいイノシシソーセージ!

精肉としては、バラ・ロースなど比較的使いやすい部分をブロック、スライスなどで展開。脂肪分の少ない部位は、ウインナーソーセージやボローニャソーセージに加工しています。
「イノシシ肉は硬くて臭い、という悪いイメージが定着しています。これは、血抜きが不十分だったり、解体技術が未熟だったりといった人為的なことが原因。しまなみイノシシは徹底して<美味しい>というところをアピールしていきたいんです。」と渡邊隊長さん。解体時にワナなどで傷んだ部分は販売せず、粗悪なものが流通しないよう徹底しています。
また、山々の柑橘や大自然のどんぐりだけ食べている野生のイノシシは、一般的な「飼育イノブタ」とは違い健康的。活用隊の取り組みは、これまでのイノシシ肉に対するイメージを大きく変えるきっかけになるのかもしれません。
イノシシ肉の栄養効果は昔から知られており、身体を温めたり疲労回復に役立つと言われています。体内脂肪を燃焼させたり美肌を作るための栄養素は、牛肉や豚肉やよりも多いと言われ、支持層は大きく広がりそうです。
しまなみの新たな特産品として今後の活躍が期待できます。

柑橘の取材のため伺った大三島で、「しまなみイノシシ活用隊」のことを知りました。柑橘生産者たちが獣害を食い止めるために、広く協力者を募って活動するというのは、これまであまり例がなかったことです。現在の会員は15名に増え、勉強熱心な皆さんのおかげで安定した高品質な肉を作り出すところまで漕ぎつけました。
あとはうまく販売に乗せることが課題。そこで県内トップクラスの料理人お二人に実際にしまなみイノシシを試していただき、ご意見を伺うことにしました。
西洋料理ではおなじみの素材ですが、フレンチでは幼少期のものが理想的。しっかりと熟成させることで臭みが消え、柔らかな味わいを楽しむことができるのだそうです。一方、日本料理の世界では大型で脂乗りの良い個体が求められます。鮮度がよく処理が確実であれば利用価値は高いとのこと。プロの貴重な声をしっかり反映させて欲しいと思います。
イノシシ被害は四国全域に広がっています。この取り組みが多くの生産者の救いになる日が一日も早く訪れて欲しいと思います。

瀬戸内風仏蘭西料理「レストラン門田」料理長の門田征吾氏。欧州では一般的なイノシシ肉利用法や処理のコツを細かく伝授。 「道後温泉ふなや」和食料理長の久保田昌司氏。120kg超のイノシシとは思えない上品で繊細な味わいに仕上げる技はさすが! シェフの下で一週間熟成させたロース肉。一切の雑味・臭みが抜け、柔らかできめ細かな肉質はとてもイノシシとは思えません。
もっと美味しく!食財メモ

現在、専門業者に依頼して作っているソーセージは、クセのない味わいで高評価。完成度の高い注目商品です。
今後はオリジナリティを出すために、特産である柑橘のピールや、どんぐりに近いナッツ類などをブレンドした商品にシフトしていく予定で、完成すれば100%地産の「しまなみソーセージ」となります。
これはとっても楽しみ!
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