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清水農園 瀬戸金太郎芋

TEL:090-4786-6601

標高300mに広がる芋畑で自分流のスタイルを貫く男

農家の長男として、この地で何をやるべきか。

愛媛県の西端に突起した細長い岬。西宇和郡伊方町にある清水農園は、合併前には「瀬戸町」と名づけられていた地区にあります。「瀬戸」という響きが実によく似合う、まさに両側を海に包まれたこの土地で、「瀬戸金太郎芋」は育ちます。
ご両親が畑を拡大したことをきっかけに約30年前に就農した清水さんは、約1haの畑でこの瀬戸金太郎芋と野菜を作り続けています。伊方町は古くからの「柑橘栽培地帯」であったにもかかわらず、なぜ「芋作り」を始めたのでしょうか。
標高の高いこの土地において、みかんへの灌水はとても大変な作業でした。当時進められていたスプリンクラーの設置もこの地では受益者がまとまらず、清水さんは自力で灌水を続けていました。しかし、納得のいく柑橘栽培ができないために、思い切って「サツマイモ」栽培へと切り替えたのだそうです。
桑畑などを次々と開墾し、何十年もかけて瀬戸町ならではの美味しいサツマイモ=「瀬戸金太郎芋」を定着させることができたのです。

この地ならではの栽培方法。自分で築き上げた土作りの術。

旧瀬戸町。中でも塩成(しおなし)と呼ばれるこの地域の土質は、火山灰の混ざった赤土で、サツマイモの栽培に適していました。それだけでなく、標高300メートル以上もある畑では夏の高温期でも夜温が下がるため、芋の増糖には非常に有利。清水さんは「サツマイモ」に全精力を注いで栽培を続けています。
もともとは高系14号などを中心に町内で栽培していましたが、味が良く当時はほとんど栽培されていなかった紅東(ベニアズマ)に品種を替え、定着させたといいます。
良質な芋のために化学肥料はほとんど使わず、「肥料が貯まり過ぎない」土作りを心がけているのだとか。
土を柔らかくし、病害への抵抗力をあげるために貝殻を石灰質の肥料としたり、できるだけ農薬を使わないための様々な方法を、自分なりに試しているのだそうです。
収穫前のツル刈りはご覧の通り、鎌で!お父様が亡くなってからは全て清水さん一人で行っています。大変な作業ですが、土の様子が良く分かるんだとか。

広大な畑でも機械を使わず収穫しています!販売も工夫次第。

この広さの畑であれば、収穫は機械を使って行うものですが、清水農園はすべてが手作業。信じられないことですが、鍬を使って一つずつ芋を掘り起こしています。
機械の入らない場所が多いことと、金太郎芋はとてもデリケートなので作業中に皮に傷がつくのを防ぐために、手掘りにこだわっているのだそうです。
天候を見極めたら収穫の前日に鎌でツルを刈り、翌日は鍬での芋掘り。その量なんと約800kg!わずか一日の作業で800kgの芋を製品化するそのスピードは驚異的です。
奥さんとの共同作業で敷いたマルチシートも、収穫作業と同時に剥いでいくという手際の良さ。
収穫後は適温と湿度を保ち、しっかりと貯蔵。サツマイモは貯蔵の技術で大きく品質が変わってくるもの。昔使っていた伊予柑用の貯蔵庫に断熱材を入れるなどして芋にとっての快適な貯蔵場所を作っています。
まだ試食販売など珍しかった20数年前から、清水さんは自分で蒸かした芋を用意して、対面販売を行っていたのだとか。「お客様の評価を直接受け取る」というスタイルを続けてきたことが、清水さん独自のスタイルに自信を持たせているのでしょう。

「くりよりうまい十三里」「だんだん畑と南国の太陽が甘い味覚のメッセージ」。こう書かれた清水農園の金太郎芋のパッケージを見ると、懐かしい、ほっこりしたサツマイモの風味が広がってきます。
瀬戸金太郎芋の品種はベニアズマ。関東では主流ですが、西日本ではそう多く作られてはいません。芋が細長く、マルチからはみ出して成長するものもあるため機械での刈り取りは不可能。皮が柔らかく掘り起こして何かに触れただけで傷が入ってしまうので、手作業で丁寧に扱わなければなりません。一連の作業はすべて腰を低く曲げて行われ、その厳しさは相当なものです。土の中に石があるだけでも芋が傷つきますが、もともと火山灰であったことが、この地で金太郎芋が根付いた最大のポイントでもあります。
掘り起こしは11月中ごろまで行われ、それ以降はあたり一面が雪で覆われてしまうのだとか。寒と暖の大きな差を肌で感じながら、空と海の境目で今日も働く清水さん。大変だけど少し羨ましい気もしてきます。

金太郎が大きな芋を担ぎ上げているユニークなパッケージ。「金太郎芋ってどんな味?」という期待が募ります。 海が近いことで貝殻などを肥料に使うことが多い。土の中で育つ芋だけに土作りは重要。 伊方町の岬には大型の風力発電機が並んでおり、その壮大な景色は息をのむほど。金太郎芋の畑は風車の真下にあります。

もっと美味しく!食財メモ

地元の道の駅でも人気の食べ方で、一度蒸した金太郎芋をスティック状に切って揚げたもの。金太郎芋のホクホク感と優しい甘さが、ついつい後を引きます。
棒状に切ってから一度冷凍しておくと、揚げた時に甘さが増すという清水さん。
冷凍保存という形で作り置きができるというのも、大きな魅力のひとつです。
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